浜辺 渚

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空に向かって大きな声で叫んだ。僕の内側にある弱い部分を茫漠とした自然に返したいと強く思ったからだ。でも、そんなことをしたって、僕の弱さは消えないし、空はちっともこちらを慮ってはくれない。電柱の上に止まっているカラスやムクドリに白い目を向けられるくらいだ。自然の悩みを分かち合えたらと思うけど、生憎と自然は僕1人なんかは相手にしないし、そもそも人間という瑣末な生き物を相手にすることさえ無いだろう。僕らは彼らにとってはあまりにも小さいし、儀礼的な恩恵を賜ろうとするには文明が発達しすぎている。この21世紀においては、我々は自分の力だけでどうにか乗り越えるしかないんだ。

4/2/2025, 3:39:19 PM