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「勿忘草」

 旅立たなければならなかった。人々を守るため、この国に平和をもたらすために戦う覚悟を決めた。
 君に渡そうと思っていた小さな白い勿忘草は、結局今も僕の手に握られたままだ。君に別れを告げる時、本当なら渡すつもりだった。花言葉を借りて「僕を忘れないで」と伝えたかった。けれど、なんだか身勝手な想いに感じられて渡せなかった。僕が無事に帰ってくる保証はないし、帰ってくることができても何十年も後かもしれない。そんな不確かな未来に、君を巻き込むことはできない。
 だから、勿忘草は渡せない。どうか君には、僕のことを一刻も早く忘れて幸せになってほしい。

2/2/2026, 1:35:02 PM