「心と心」
近くにあるように思えて案外、限りなく遠くにあるもの
「一見近づいて思えた私たちの関係は、君からしたらなんともないものだった。ただの友人、それだけだった」
わたしはいつからか、君のことを人として好きだと思っていた。君がただの帰り道と感じていても、わたしとしては君とのお決まりデートコースだった。君がただの昼食と感じていても、わたしとしては君とのランチデートだった。付き合っていると思っていたわけではない。友人だと理解していた。しかし、どこか、君を異常に求めるようになってから、己の醜悪に満ちた考えを畏れた。
君の心にこれ以上近づいてしまっては、迷惑がかかる。取り返しが、つかなくなる。
しかし、こんな考えはただの思い込みだった。なぜなら、最初から君との心など、近づいてさえいなかったのだから。
私からの迷惑なんてかかるわけがない。なぜなら、
「一見近づいて見えた私たちの関係は、ただの他人、それだけだったからだ」
12/13/2024, 6:23:07 AM