綿のような温もりに沈み込んでいた意識が浮上して、それと同時に開いた瞳が眼前で優しく微笑むあなたを捉える。おはよう、と囁く声が柔らかく鼓膜を揺さぶった。咄嗟に夢か、なんて判断を下して自分の頬をつねってみる。痛い。え、てことは。驚いた顔をした私に、あなたが笑みを深める。「夢じゃないよ」伸ばすまでもなく届いたあなたの手が私の頬を撫でる。直に伝わる温度に、もう一度意識を飛ばした。夢じゃない
8/8/2025, 11:58:23 AM