亀岡たわ太

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「ミミミさん、今日の宝物ってなんですか?」

 魔法使いの女の子に女剣士エレンは聞く。

「今日は竜のキバでーす!!」

 魔法使いミミミはキャピキャピした声で言う。

「このお宝はドラゴンを倒した時にドロップしたもので合成素材にはピカイチ!! ドラゴン装備を揃えるならまずこの竜のキバが必要でーす!!」

 女剣士エレンは言う。

「ほほう、これでドラゴンソードも作れるのか?」

「そうでーす。」

「それで? 値段は? いかほどに??」

 魔法使いミミミは自信満々に言う。

「これがたったの1500エンゴールド! この安さ! 買わないとギルドに言いつけてやる!」

 何が何やら。でもセールストークは良い。

 勇者は勝利を確信した。彼女らは勇者のパーティの一員。勇者はギルド御用達の紹介でセールスマンをしていた。竜のキバは借金の方に奪い取ったもの。勇者はドラゴンと戦った事がない。まだひよっこだった。

 いつか、いつかビッグになってやる!!

 そう思いながらお金稼ぎをしている。勇者の宝物はまだない。

11/20/2023, 10:13:11 AM