紅茶に浸した貝殻型のマドレーヌを口にした瞬間の香りでとある小説を思い出した フランスの長い長い小説
たしかこうやって匂いと記憶が結び付くことの名称の由来にもなってる小説家の作品 かつて読んだことがある小説
こうして今まで忘れていた昔の記憶を徐々に思い出して過去を辿っていく内容だったはず あの小説の名前は…
こんなふうにはっきりとは思い出せないものは単語を並べて調べればだいたいわかる 「匂い 記憶」で解決する
そんな今の時代でもどこにも載せることができない私個人の体験の記憶とそれにまつわる匂いに思いを巡らせる
幼少期のおぼろげな記憶 あの頃のあの匂い
あの場所の雰囲気という感覚の質 クオリア
記憶という量的還元不可能な質が私に輪郭を与えている
今感じているこの香りと記憶がそれを思い出させる
思い出せないだけの記憶が私にはあといくつあるのだろう
それを思い出させる何かはどこにあるのだろう
軽食を済ませ外へ出た私の五感は研ぎ澄まされていた
失われた何かを求めて
10/27/2023, 11:28:46 PM