ある所に
天才少女がいました。
両親は芸術関係の仕事をしており、
少女と少女の兄に
たくさんの世界に触れさせました。
兄は絵を描くことがメインでしたが、
少女は、何でも出来ました。
サックス、風景画、ダーツ…
一度見たことがあるものから
見たこともないものまで
やったら出来てしまうのです。
しかし両親は
彼女の作品や演奏に
魂が感じられないと言います。
魂とやらはどうやって生まれるの、と
少女が聞くと
両親は決まってこう答えます。
恋。運命の相手と出会った時、世界が色づく。
男と女とはそういうもの。
気になる男の子はいないのか?
しかし少女は
恋愛に興味が無く、
恋に落ちたこともありませんでした。
ある日、
毎週行われるお城の舞踏会へ行った少女は
物凄く退屈に感じました。
王子様にも
ダンスにも
興味が全く湧かず、
ただグラスを揺らすだけでした。
ふと、
少女と同じくらいの年齢の
銀髪の少女のコップに
白く濁った液体を混ぜる人を見ました。
こういう所ではよくあることです。
金目のもの欲しさに
殺人まで犯してしまう狂ってしまった人。
丁度暇していた少女は
その銀髪の少女を庭へ連れて行き、
キミの飲み物に毒を混ぜていた人を見た、と
教えました。
教えてくださりありがとうございました!と、
銀髪の少女は少女に抱きつきました。
その時少女は
動悸が激しくなり、体が熱くなります。
風邪か何かだろうと思いましたが、
どうやら恋をしたようで。
銀髪の少女のことが
頭から離れません。
同性愛者。
世間では病気のように扱われます。
この事を両親が知ったらどう思うか。
なので少女はみんなに恋心を隠しました。
いつも通りに振る舞いました。
しかし想いは膨らんでいくばかりで
月に1回しか行かなかった舞踏会に
毎週通うようになったのです。
銀髪の少女に会うために。
よければ一緒に踊りませんか?と
少女の想いも知らずに
銀髪の少女は笑顔で手を差し伸べます…。
っと。
こんな感じかな。
夜、瞑想をしていたら
突然いい感じのことを思いつき、
そのまま頭の中で物語が作られた。
白馬の王子様じゃなく
ただの平々凡々な銀髪の少女に恋する少女の話。
もちろんこの物語の最後は
めでたしめでたし。
ちょっとズレてる所もあるけど、
妄想の中だけでも
ハッピーエンドに。
でも、
同性愛者なのが両親にバレて
"Good Midnight!"
と言って
少女が銀髪の少女から距離を取り、
崖から転落してしまう。という
バットエンドもありだなと思いながら
瞑想って無心にするものだよね…?と
よく分からなくなってきたので
とりあえずこう言った。
あなたの恋はどんなものでも素晴らしいよ、と。
10/4/2024, 2:52:33 PM