【10年後の私から届いた手紙】
10年後の私へ。
貴方は今、何をしてますか?
憧れの職業には就けましたか?
好きな人と付き合っていますか?
今の私は何にも出来なくて、人より劣ってる事が目立ちます。
でも、負けないでください。
未来の私は強くなっています。なるに違いありません。
これからたくさんの事があります。
壁もあります。
だけど、大丈夫です。
だって、いつも何だかんだ言ってどうにかなってるじゃないですか。
今だって、どうにかなってるでしょ?
死ぬ事以外は擦り傷!
擦り傷にならない事もあるけれど、頑張ろう。
嗚呼、、あの頃の私は、なんてポジティブだったんだろう。
なんて無垢な子供だったんだろう。
『今は考えられないな。』
ガヤガヤとうるさい校庭。
懐かしの我が母校。
『えー!まじで私の文字汚い!』
『アハハッホントだー!』
昔より随分変わったみんな。
憎たらしいあの子も、昔は嫌いで嫌いで堪らなかったアイツも、ガラリと雰囲気が変わって誰か判別がつかなくなっている。
私の手元には、小学6年生の時頑張って下手な字で書いた少し黄ばんだ手紙。
ところどころ誤字や脱字が目立つが、冒頭で紹介した通りのポジティブ文面だ。
大人になってから気づくのは、子供の時にしか得られなかった何かがあったという事。
例えば、友達と一緒に帰る夕焼けの空と空気の感じとか。
今となってはもう戻れないくらいの青春。
この手紙からは、そんなものが感じられた。
『ふぅ、、もうちょっと、頑張ろうかな。』
ポケットに入れていた、縄を学校のゴミ箱に捨てた。
手紙は人の想いが込もるもの。
勇気と、励ましがこの手紙からひしひしと伝わってくる。
『、、、よしっ。』
新しい風が吹く学校の校庭。
私は青空に向かって歩いた。
2/15/2024, 12:36:01 PM