君に会いたくて
君と転んで泥を被った公園に、一緒に滑った滑り台。
どこにいくにも一緒で毎日のように遊んでいた日々が懐かしい。何も語らずとも何がしたいか分かったし、一緒にいて楽だった。喧嘩だってしたけど結局は僕が折れてまたいつも通りに遊んでいたよね。
僕が小学生になった頃、君は突然どこかに行っちゃった。
一緒に公園で遊んで、僕がトイレに行っている間に。急にいなくなったからお母さんに聞いたけどわからないって言われて大泣きしたんだ。
それから町中を探してみたけど君はいなかった。
僕は今でも後悔する。
今何をしてるの?寒い思いをしていない?
あの日僕が目を離さなければ君がいなくなることなんてなかったはずなのにって。
あれから僕は幼い頃からの夢を叶えて人形作家になった。明日、君と過ごしたこの部屋を出ていく。
いつも君が座っていたタンスの上は君の代わりに僕の大好きな人の写真と貰ったぬいぐるみが飾られていた。
十数年経って、僕はもう君がいなくても寂しくないけど、ときどき空想するんだ。
もしもう一度君に会えたら僕の成長を喜んでくれるかな、
なんて。
1/20/2024, 3:55:12 AM