『遠い足音』
君の足音が小さくなっていく。
もう私の手は届かない。
もっと一緒にいたかった。
おはようもおやすみもまた明日もやってこない。
まだやりたいこといっぱいあったよ。
視界が滲む。
最後まで君を見たかったのによく見えない。
"行かないで"
言葉も喉に詰まる。
明日からはいつも通りの私になるから
今だけは...この感情に任せて涙を出し切りたい。
パンザマストから夕方の時報が鳴り響く。
私の嗚咽した声も君の足音も思い出も全てかき消すように
静かに、大きく鳴り響く。
語り部シルヴァ
10/2/2025, 11:09:15 AM