ののの糸糸 * Ito Nonono

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No.1『優しさの呪縛』
散文 / 掌編小説 / 散文詩

わたしが泣きそうな顔をしたら、君は必ず「泣かないで」と言う。泣きそうな顔に見えるかもし知れないけれど、わたしはまだ泣いてはいなくて、泣いているのは君のほうなのに。

いつもそうだ。君のほうが先に泣くから、だからわたしは泣けないでいる。わたしが泣かないように守ってくれているつもりなのかも知れないけれど、わたしは君のせいで今日も泣きたいのに泣けない可哀想な子だ。


お題:泣かないで

12/1/2022, 4:58:57 AM