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差し出されたアイスを受け取り、包装を剥ぐ。チョコレートでコーティングされたそれは、歯を立てるとパリパリと小気味よい音をさせ、舌の上で溶けていった。
夏である。暦の上では未だ春らしいが、気温は二五度を超え夏日を記録していた。立派に夏である。疑いようのない夏である。何が春だっていうのか。いい加減にしろ。悪態を冷たいアイスで飲み下し、私はようやく言葉を発した。
「アイスクリームはやっぱり最高だな」

5/11/2026, 2:25:33 PM