遠い日の記憶
うちの母は保育関係の仕事をしていた。
その仕事がどんなものかは当時の私は知らなくて、でもいろんな子どもがそこにいることだけはなぜか知っていた。
だから私は悲しかった。
私のそばにはいてくれないのに、他のコのそばにはいるんだ。
私といっぱい遊んでくれないのに、他のコとは遊ぶんだ。
他のコはお母さんが保育所まで迎えにきてくれるのに、私はおばあちゃんしか迎えに来ない。
母は夜勤もある保育関係の仕事だったからたまに夜いないこともあった。
そんなときは悲しくて泣いてしまっていた。
お母さんは私が嫌いなんだ。
そう思うこともあった。
でも今あらためてふりかえれば母は全然私を嫌ってもいないし、むしろちゃんと休みの日は私のお母さんをしていた。
私も成長して、それがどんな仕事で、どんなに大変な仕事なのか分かるようになって、今となっては仕事と家庭を両立していた母にたいして尊敬しかない。
でもそれは「大人」の私の話だ。
私の中の奥底にはまだ、「子ども」の私がふて腐れているようだ。
もう30年以上も前の話なのに、未だに当時の気持ちを鮮明に思い出せてしまう。
お母さんは私より他のコの方が大事なんだ!!
7/17/2024, 1:05:50 PM