タイムマシーン(オリジナル)
タイムマシーンを発明した。
皆には秘密だ。
しかも、車に乗る感覚で手軽に使える。
我ながら天才だ。
ただし、未来には行けない。
あくまで行き来できるのは、過去と現在だけだ。
タイムマシーンを夢想する誰もが考えるように、賭け事には本当に有用で、開発費用もすぐに回収できた。
人生の選択肢を誤って過去に戻った時など、たまに、新たな選択肢が本当に良かったのか、検証のため、その時間軸に長めに残る事もある。
とはいえ、各1回のやり直しで、概ね順調だった。
過去を過ごしていて、たまに現在軸を超えてしまう事もあったが、結局はそれも過去になるため、やり直しはいくらでもきく。
やがて、賭け事に勝つ勝負師として有名になった。
そして、SNSやテレビで「老け顔」と指摘されて初めて気がついた。
過去に戻る自分の年齢が、巻き戻っていない事を。
元の時間軸に戻った時、過去で過ごした時間分、歳をとっていたのだ。
小中学生まで戻ろうとした事がなかったので気づかなかったが、当たり前といえば当たり前である。
あまりに手軽すぎて、巻き戻ししすぎていた。
生誕年から算出すると実際は40歳なのだが、見た目と身体は50歳になっていた。
このままでは早死にしてしまう。
けれど、この便利さを手放したくはない。
結局、未来の世界を見る事よりも、過去と現在を選んだのであった。
1/22/2026, 11:30:13 AM