永遠の命を手に入れた。
だから、それをおまえにも分けて、共に生きる。
百年の時が過ぎ、オレたちの家族や友達や知り合いは、みんな死んでしまった。
でも、オレは、おまえさえいればいい。この世で一番特別な、おまえさえ隣にいればいい。
だが、おまえは違った。家族や友達や知り合いの死を、おまえは悼み、悲しむ。
そりゃあ、オレだって悲しいけどさ。
「おまえには、オレがいるよ」と言ったが、おまえの表情は暗いままだ。
永い時を、オレと過ごすおまえ。ある日、おまえは告げる。
「もう疲れた」と、一言。
悪いけど、不死の捨て方なんて、オレは知らない。
おまえは、両手で顔を覆い、膝から崩れた。
永遠に囚われたおまえは、そのことを嘆く。
それでもオレは、おまえを逃がしてやれない。逃がすもんか。
4/8/2023, 10:46:23 AM