ゼル

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風が靡くとお前が見えた。木陰に身を潜め、太陽の光を酷く嫌う俺をお前はなりふり構わず日の下へ連れ出していく。俺の腕を掴む細くてよわい手が、俺を必要だと言っているようで、自惚れた都合のいい妄想に心を病んだ。こんな毒が身体中へと流れているのだ。俺は、この味しか知らないのだ。

7/17/2025, 2:11:51 PM