あの日、あの場所。もしかしたら間違いだったかも
しれない。でも僕から見て、君はほんのり笑った様
に見えた。ほとんど植物人間な君は、放っておくと
食事も取らない、置物みたいなものだ。死のうとも
生きようともしない君は正しく植物人間と言うのに
相応しいだろうと思う。ある時自殺未遂をしてから
死ねなかったこと、未来への絶望、とか他にも色々
あるとは思うがその時から彼女は少し壊れてしまっ
たようで。俺は彼女が入院した病院に通いつめるこ
と半年。少しずつ心の傷は良くなってるようで。看
護士さんに、ずっと部屋にいるのも気が滅入るだろ
うと言われたので病院の周りを少し彼女と散歩する
事にした。桜の木の下で、口下手ながらにも一方的
に彼女に話しかけた。たわいも無い話。桜の下。静
かな雰囲気の中少し気になったことを口に出す。
…まだ、死にたい?。彼女は少し頷いて。それから
小さな声で、……けど、君がいるからもう少し頑張
ってみるよ。と言って気のせいかもだけど、少し、
笑った様に見えた。僕は、僕は。彼女の役に。少し
でも彼女の役に立てているような気持ちになって、
【たとえ間違いだとしても】
4/22/2023, 1:12:44 PM