冬になったらの続き
冬のはじまり
「メリークリスマス!」
パア~ンと クラッカーが破裂する。
紙吹雪が 夏樹の頭に掛かる。
不機嫌そうな顔で夏樹は、
紙吹雪を払う。
「夏樹~もっと楽しそうな顔してよ!」
「高校生にもなってクラッカーって...」
夏樹は、呆れる様にため息を吐いた。
「お前 他に友達居ないのかよ~」
「何よ~幼馴染みのよしみでしょ!
付き合ってよ!」
私は、頬をぷくっと膨らませる。
夏樹は、またため息を吐いて
右手を差し出す。
「ケーキ切るからナイフ貸して」
私は、言うとおりにナイフを
差し出す。
「私イチゴ乗ってる所ね!」
「はい はい...」
別に 他に友達は、居る。
だけど...
「冬美 夏樹君と仲良いでしょ!
誘ってみてよ」
そう言う友達が大半だから
なんだかつまらなくて....
私をダシにしないでよ
話し掛けたいなら自分から
言えば良いでしょ?
そう言えば
「だって何か緊張しちゃって
話し掛けられないんだもん
冬美は、幼馴染みだから
分かんないだろうけど...」
何だろう前は 夏樹が人気者なのが
嬉しかったのに...
何だか 最近・・・
「どうした?」
夏樹が訝しげに 私を見る。
「何でもな~い」
まあいいや 考えても 答えが
出ない 問題は、考えない様にしよう
「ロウソク立てよう!」
「はぁ 何で クリスマスだろう」
「細かい事気にしないの」
私は、夏樹の嫌そうな顔を無視し
ケーキにロウソクを立てる。
「メリークリスマス!」
私は、嫌な気持ちを吹き飛ばす為に
思いっ切りロウソクを吹いた。
メリークリスマス!!
11/29/2023, 11:19:19 AM