数歩、階段を昇っては振り返る。
通り過ぎてきた跡を確かめて、また、昇る。
あと何段で次の踊り場に着くか、先は数えてない。
下りの階段。先に段を数えてから足をおろす。
あと何回踏み出せば下の階に着くかずっと計算する。
そんな感じで毎日恐る恐る生きていると、案外なかなか最悪の事態はやってこない。
未来も人も、良いように先読みしての期待はしない。
だから失望するということがない。
反対に悪いほうにはせっせと頭を働かす。
間違え、失敗し、壊し、病み、逃げ出す可能性。
誤解され、脅かされ、排斥される可能性。
何よりも、予想のつかないことが起きる可能性。
毒矢一本を避けたところでまた次の矢は飛んでくる。
そんな考えをしていると、たとえ人生のどん底に居ても「まだ地獄までは落ちてない」なんて思ってしまう。
本当は、こんな生きかたそのものが最悪だろうよ。
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最悪
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所感:
まあ、生き方として、最低ではない。
6/6/2023, 3:50:37 PM