日当たりの良い大きな窓が付いた明るい部屋と緑と甘い花の匂いがする広い温室。それが私に与えられた世界。私が欲しいとねだったものは大抵手に入れることができる。眩く宝石が付いた指輪、多くの召使い、涎が溢れるほど美味しい食事。誰もが私をもてはやす。まるでそれをすれば、私の機嫌がとれるとでも思っているようで。それが私をこの小さく狭い世界に閉じ込める免罪符にしているようで。私がどんなに願ってもここから出ることは叶はないというのに。今日も私は、上辺だけの愛情を一身に受けながら広い世界に焦がれている。
#蝶よ花よ
8/8/2024, 10:22:50 AM