三神狐

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寒いな。
昔はあんなに嬉しかった雪が、
今ではこんなにも重いなんて。

寒さと孤独が、こんなにも痛いなんて。

悲しくて辛いはずなのになぜか目は乾いていて、灰色の雲から舞い降りる、白いゴミを映すだけ。
泣き言を言っても、どうしようもない事が分かってしまったから、ヒリヒリとした痛みを耐えるだけ。

寒いなぁ。
何度目か分からないため息を吐いたその時、

「どうしたの?」

こちらを見下ろす大きな影。
優しそうな下がり眉。
何も言えずにいると、影はこちらに近づいて、春の太陽のような顔で微笑んだ。

「もう、大丈夫だよ」

自分の手を、
温かい手で、
そっと包み込んで。

5/24/2025, 4:34:27 AM