願い事
幼い頃は素直に七夕の短冊に願いごとを書いたものだ。
スーパーの一角に誰でも好きに願い事を書いていい催しが毎年開かれる。
そこにはまだ首の座ってない字がならんでいた。
内容もとても愛らしくやはり子供は宝だと気づかされる。
今となっては願っても叶わないと知ってしまった。
願うだけ虚しく、それでも願わなければやっていけない。
それに、子供と違って内容に夢がない。
「健康でいられますように」
「安全に過ごせますように」
これが結局いちばん大切なのは分かってる。
でも、スーパーの笹の葉とはまるっきりくすんで見えてしまう。
悟りを開いた瞬間に大人になったと感じる。
ないものねだりという概念を知った時に大人になったと感じる。
期待という言葉が煌びやかではないと知った時に大人になったと感じる。
そうやって幾つもの損失が人を大人にするのかもしれない。
得たものは年齢だけ。
いつの間にか願ってはいけないみたいな風潮が私の中で確立していた。
どうせ叶わないのにと馬鹿馬鹿しく思えてきてしまうからだ。
願っている自分が惨めだと。
私の願い事は、なんだろう、分かんないや。
7/7/2025, 4:41:55 PM