ミキミヤ

Open App

昨日書けなかった分と合わせて投稿します


(記憶)

真っ赤でまん丸な夕日が見えた。それは、淡い灰色を背景に沈んでいく。夕日にすーっとかかっている雲は黄金色に輝いていた。その風景はずっと見つめていたいほどに美しかった。


生まれてから今日まで、こんな夕日を何度見てきただろう。今日みたいな美しい夕日も、きっとたくさん見てきたのだと思う。それなのに私は、その全てをほとんど記憶していない。どんな色で、どんな形だったのか。そういうことはまるで覚えていない。

ただ、『夕日の綺麗な日があったこと』は確かに覚えている。何度となくその美しさに感動したことも、覚えている。風景そのものを記憶していなくても、感動の記憶が私にはある。そういう小さな感動の積み重ねが、私を今日まで生かしてきたとすら思える。

きっと、日々の些細な記憶が、今の私を作っているんだろう。


――――――――――――
(もう二度と)※工事中

初めてキミと喧嘩した。きっかけはたいしたことなかったのに、すごく大喧嘩になってしまって、キミは「あんたなんて大っ嫌い!!」と言い残して、家を飛び出していってしまった。
付き合って3年、同棲して1年、夢かと疑いたくなるほど穏やかで順風満帆な生活をしていたものだから、キミと喧嘩してしまったことも、「大っ嫌い」と言われたことも、全く飲み込めなくて、オレはしばらくキミが座っていた椅子をボーッと眺めていた。
そんなオレを正気に戻したのは、外から聞こえてきた轟音だった。雷だ。窓にはバタバタと雨粒が当たる音がする。雷雨が来たのだ。
キミは、着の身着のままで出ていってしまった。財布も持っていないし、スマホはテーブルの上だ。オレは喧嘩のことは一旦忘れて、キミのことが心配に

3/26/2025, 9:12:27 AM