『永遠の花束』
願いが叶うなら吐息を白い薔薇にかえたい、と歌う曲があった。
そして逢えない相手を想って部屋中に飾るのだそうだ。
随分と気の滅入る部屋にならないか?
薔薇が美しければ美しいほど、哀しみが際立ちそうだ。
私だったら、そうだな。
その花を集めて花束にでもして、売って売って売りまくる。
虚しさの象徴なんて手元に置いておきたくないし、相手に対するムカつきを現金に換えて可視化する。
やがて一定の額を超えたなら、その相手を捨てる決心もつくだろう。
なんだ、こんなにも蔑ろにされていたのかと。
その後ようやく、笑えるようになるんじゃなかろうか。
よく笑顔を花に例えることがある。
花がほころぶような、とか。
逆に、花が咲く様子を花が笑うと言ったりもする。
どうせ咲かせるならそちらの方がいい。
そしてそれを胸にひとつずつ集めていけば、人生の終わり頃には、きっとなにものにも代えがたい花束ができているのだろう。
2/5/2025, 8:41:02 AM