昔、娘とよく星を見ていた。
ベランダで片手にホットミルクを持って。
「お父さん、知ってる?星って少しずつ地球から離れているんだって!!」
娘はテレビで見た知識を俺に教えた。
俺もそのテレビを見ていたので知っていたが、初めて知ったように反応した。(俺が娘に話そうとしていたことなので少し悲しさもあった)
あれから20年くらいたった。
娘とは喧嘩別れだった。
もう5年ほど会っていない。
娘は星のように、地球の俺からだんだん離れていくのを感じた。止める勇気もない。
その時、ベランダから風が吹き、俺の視線はベランダに行った。星が綺麗に瞬いている。
「久しぶりに星でも見るか。」
ベランダにでた。
星は意外と大きく、輝いて見えた。
「・・・意外と、まだ近くにいるんだな。」
俺はベランダでケータイを取り出し、ある電話番号を鳴らした。あの星を追いかけるように。
「・・・もしもし、話したいことがあるんだ。」
7/21/2025, 11:00:49 AM