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『やるせない気持ち』

ふと目についたカレンダーが、君がいなくなってから2年とちょっとが経つことを教えてくれた。いまだに僕の心の大半を占めていて、忘れることなんてできなかったからなのか、そんなに時が過ぎていたなんて気づかなかった。
なんとなく見ていられなくて、カレンダーから視線を引き剥がす。
窓から一直線に見える青い空に浮かんでくるのは君との日々だった。笑った顔、怒った顔、泣いた顔、恥ずかしがっている顔、ときどき見せた寂しそうな顔。全部全部、いつまでも隣にあるものだと思い込んでいた。
君が隣にいた間に精一杯の愛を伝えていたはずなのに。君がいなくなってから、あれも、これも伝えておけば、もっとたくさん笑わせられれば、なんて感情にがんじがらめにされていた。
「もうどうにもなんないのにね…」
空白の部屋に微かな声が落ちる。
自分が起こしたはずの空気の揺らぎにすら耐えられなくて、唇を噛んだ。君が背負っていた痛みはこれの何倍だったのだろう、なんて無意味なことを考える。
いつまでも胸の中に燻るやるせない気持ちを抱え込んで、僕は今日も息をする。

8/24/2024, 1:51:54 PM