題 sunrise
「夕日が沈むよ、きれいだねー」
私は彼氏を振り返ってそう言う。
「そうだね」
手を繋いだまま、彼氏が優しく笑いかけてくれる。
その笑みに、テンションが上がってしまって仕方ない。
優しい夕日の色が私と彼氏を包む。
その柔らかさが余計私の心を穏やかにする。
「一緒に見れて嬉しいよ」
彼氏がそう言う。
その言葉に私は一気に幸せの感情の頂点に押し上げられる。
「わ、わたしも、私もだよっ」
焦って手を握る力に力を込めると、彼氏は楽しそうに笑う。
「そんなに焦らなくても」
「もー、だって嬉しすぎたんだもん」
彼氏の手を引き寄せて、私の両手で包む。
「ありがとう。いつも私といつもいてくれて。こんなふうに綺麗な景色を一緒に見てくれて」
「もちろんだよ。カリンといる時間はいつも幸せだから、こっちこそ感謝したいよ」
そう言ってくれる彼が本当に愛おしい。
違うよ、私の方が感謝なんだよ。
返しきれないほどの愛を感じさせてくれた人。
隣にいてくれるだけで奇跡みたいに感じる人。
一緒いてくれるから、夕日が特別なものに思えるよ。
私は彼に微笑みかける。
「これからもずっと夕日を一緒に見て欲しいな」
彼は頷いて笑いかけてくれる。
「もちろん、僕からお願いしたいくらいだよ」
二人で向かい合って微笑み合う。
そんな幸福な時間があることを、今はただただ感謝したいなって思えたんだ。
5/21/2025, 12:30:20 PM