towa_noburu

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「真夏の記憶」
炎天下の中疾走して全てから逃げた夏
何もいらない、何もかも捨てて自我すら捨ててただ声なき声の恐怖に苛まれながら、身を切り走った。
その時の恐怖の残像が10年以上たった今でもチラリと覗く。影を踏むように、後ろを振り向くと、あの夏の記憶が私を黒く染める。
それでも、何もかも壊れてしまった精神でも、残骸は少しずつ生き延び形を変えて、今に適応している
これは奇跡だ。そう言うのは簡単だけど、並大抵の努力では辿り着けない自己再生をやってのけたのだと誇ってもいいかもしれない。
あの夏が今でも呼応する。それでも、未来は続いているんだよ、今をたゆまず生きる限り、最善の選択で貴方の記憶を迎えよう。
真夏の記憶、どうか眠れ。安らかに。

8/12/2025, 10:46:00 AM