瞳を閉じ、意識を散歩させる。
そんな時にはよく昔を思い出す。
あの頃の俺は、とても純粋で。
今よりもよっぽど元気で、笑顔が多くて。
良き友もいれば、好きな娘までいて。
毎日が楽しかった。楽しくない日などなかった。
なにも、今の自分に良き友がいない訳じゃない。
ましてや、笑っていない日々という訳でもない。
ただ、ただ少しだけ、
昔が恋しくなったというだけなのだ。
ひどく冴え渡る意識と、己が身を刺す光の刃。
体が震える。しかし、布団に戻ることは許されない。
重い身体をギコギコと動かし、キッチンへ。
嗚呼。
願わくば、もう一度。
あの夢の続きを。
1/12/2025, 6:48:03 PM