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「窓越しに見えるのは」

自分が赤ん坊の頃から住んでるこの家で、安らぎを感じることは無い。

しかし、心の落ち着きを得られないこの家でも、落ち着き、安堵を得られる時間がある。私が一等好きな時間。

夜、カーテンと窓を開け、自室から外を眺めるのだ。
心地の良い風が頬をかすみ、家々の明かりがほうほうと灯っている。
遠くには木々も見え、車が通れば部屋の天井にライトが反射する。

落ち着くのだ。

風にあたり、夜空を見る。
感傷的になり、涙が込上げる。

開放される時を待っている。

一通りこの時間を満喫すると、窓を閉める。

窓越しに見る景色も悪くない、でも、窓に写る自分の顔は言葉では表せないほど情けない表情。

やはり窓は開けるべきだ。

7/1/2024, 2:57:02 PM