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 思えば あっという間だった。

この場所に来てから、慣れない事も多くあったが徐々に適応していった。 住民達ともコミュニケーションが取れるようになったし、衣食住も十分な生活を送れている。 今日は、私がここに来てから1周年パーティーも兼ねているらしい。 文化圏の違いも嬉しいときも有るのだ と、ひしひしと実感する。

 今日の献立は、色とりどりな果物を手のひら大 に切り分けたものと、こぶし大のクッキーの様にサクサクとした食べ物だ。果物が出るのは大変珍しい。なにせ、住民達もこの果実を用意するのに四苦八苦しているようで、月に一度出ればいいほうだ。しかし、蜜柑のような実に、林檎の様な甘酸っぱさが癖になる。アボカドの食感のパイナップルの風味なものも美味だった。

 衣服については、私の布団くらいの大きさの布を体に巻きつけるスタイルの様式だった。郷に入っては郷に従えと言うし、不満などは無いのだが 如何せん股に風が通り抜ける感覚は、今でも落ち着かない。
 家については、硬い床の上に コルクチップのようなものを撒いたものと、ちょうど体が入る横穴の寝床があるものだった。

 こちらの生活の説明は以上で終わりとする。こちらの住民は、人間に対し非常に友好的なため、他星人に奴隷にされるよりかはマシだと考えられるが、こちらの星の生物との力量差が大きいため、人類のみで文明を再興するのは難しいと思われる。また、体長10m未満の知的生命体が絶滅の危険があるとのことなので、地球内で再び戦争等で人類文明に大打撃が無いようならば、介入しないと思われるので、判断等は一任する。

5/8/2024, 8:31:53 PM