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どこかから醤油の香りがしてくる。
肉じゃがかな。
そう思ったところで、お腹がぐるるる……と空腹を主張する。
「そうだねぇ、今日の夕食はどうしようか」
独りごちて、手にした鞄を持ち直す。冷蔵庫の中身を思い出しながら、足りないものをリストアップ。魚屋、肉屋、八百屋……商店街で寄るべき店を思い浮かべる。
そうするうちに、さらにお腹が鳴き始める。
ちょうどタイミングよく、近く肉屋のコロッケが揚がる香り。
何をするにも腹ごしらえは必要だ。誰にともなく言い訳して、私はまず肉屋へと足を向けるのだった。

「空腹との帰り道」/風に乗って

4/30/2023, 7:45:09 AM