ミヤ

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"言葉にできない"

昔から、写真を撮られることが苦手だ。
大抵のことはどうでもいいと流す事が出来るけど、こればっかりはホント虫唾が走るというかなんというか……、うまく言葉にできないけど、生理的になんか無理。
イベントで撮影係をよく引き受けるのは、それが一番写真を撮られないポジションだからだったりする。

花見の席で、撮った写真を見たいという後輩にカメラを渡して。
連勤が重なっていたこともあり、疲れてたんだろうな、ちょっとうとうとしてしまったんだよね。
次に意識がはっきりした時には、こちらに向けられたレンズを思いっきり払った後だった。
勢いよく地面に激突したカメラは盛大に破片をぶち撒け、見事お亡くなりに。その場の空気は死んだ。

理性がある状態なら、まだなんとか耐えられる。
証明写真や集合写真も、嫌だけど、必要だからと我慢に我慢を重ねてやり過ごしてきた。
でも、無意識は駄目だ。抑えが効かない。
そりゃあ反射的に手も出るってもんでしょ。

またクラッシャーの実績を積み上げちゃったな、と頭の片隅で現実逃避気味に思いながら、真っ青な顔で固まる後輩にどんな言葉をかけたものかと考える。
半ば寝惚けている相手にカメラを向ける方が悪くない?とは思うけど。
許可の無い撮影は盗撮で、盗撮はギルティだろ、とも思うけど。
それでも何か掛けるべき言葉が……ある、のかなぁ?
見たところ後輩に怪我は無さそうだし、単に写真を撮ろうとしたらカメラが吹っ飛んだだけ……。
吹っ飛んで修復不可能な感じにへしゃげて割れて壊れただけ……。
駄目だ、"だけ"の語感マジックで誤魔化せる範囲を超えている気がする。
というかまじまじと残骸を見て、結構勢いが付いていたんだなぁと改めて感心してしまった。
手を痛めてなくて良かったね、ホント。

状況を見かねて、周りがフォローに入ってくれた。こういう時、場を和ませてくれるムードメーカーの存在は有り難い。たとえ花見をパスしようとした僕を強制的に引っ張ってきた人と同一人物であったとしてもだ。


ひとつ救いがあるとしたら、壊れたカメラが社用じゃなくて僕の私物だったことかな。
悲しいけれど、社用カメラを弁償するよりはマシな結果だったと思っておかなきゃやってられない。

4/12/2026, 12:17:36 AM