冬至。

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            びーえるではないけど…?



俺らは過剰に戯れて周りを刺激する。
「おー何してたんだよ。遅いじゃん」
遅れて来た友人に片手をあげて挨拶する。
「センコーに捕まってた。呼び出し」
「おまえ何したんだよ」
笑いながら自分の方へ手招きして近寄って来た友人を片膝に座らせ後ろから抱き抱える。
その瞬間周りを取り囲んでた同級生から一際大きい歓声が湧く。
それをそのまま流して話し続ける俺ら。
もう慣れたもんだ。
今日も相変わらず過剰なスキンシップでギャラリーにサービスする。
「ねみぃ」
そう言って前にいるうなじに頭をすり付ける。
「眠いなら帰って寝ろよ」
「そうなんだけどさー…おまえも一緒に寝る?」
「お前のベット狭いもん。やだよ」
会話してる間にも周りの女子たちがわぁきゃあ言ってる声がする。
「いいじゃん別に。寒いしさー」
「よくない。おまえ寝相悪いし最悪」
「ひどっ」
抗議するように首筋にさらに頭を押し付ける。
「おいやめろよくすぐってぇ」
ガシッと結構容赦なく頭を掴まれた。
動きを封じ込められた俺はそのまま首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。
それまでも鳴り止まなかった歓声に一瞬悲鳴のような声が上がる。
女子、好きだねーこーいうの。
横目でちらりとギャラリーを一瞥して視線を首筋に戻す。
「おまえ今日いい匂いする。香水付けた?」
「何も付けてないよ。シャンプーじゃねぇ?」
「すげぇいい匂い」
「お前と一緒のやつだよ」
そう言って鷲掴んだ俺の頭を引き寄せて匂いを嗅がれた。
また一層ギャラリーが沸いた。
「お前ら…イチャつくなら帰ってやれ」
見かねて横から呆れたように声を掛けられる。
よくつるむコイツはもう慣れたものだ。
周りの声がうるさいのか手でシッシッと払う仕草をされる。
「なにお前も仲間に入る?」
「入らん」
そんな即答しなくても。
容赦なく切り捨てられてしまった。
「でもまぁ。そろそろ帰ろっか」
横のそいつに笑って返して。
頭に乗せられた手を外して最後のサービス。
前のコイツの手の甲にキスをする。
また周りからの悲鳴。
「あ、お前汚いだろ何してんだよ」
そう言って人の制服で拭かれた。
ひどくない?
ちょっと拗ねたふりしてうなじにキスしてやった。
「あーお前…っ」
少し赤くなった首筋を手で押さえて非難される。
「お前らよくやるな…」
さらに隣から呆れた声がする。
毎日毎日飽きずに俺らは過剰に戯れて周りを刺激する。
何でこうなったんだっけな。
何が始まりだったっけな。
もう忘れた。
周りが喜ぶからまぁいいか。
アイツも最初は嫌がる素振り見せてたけど今では慣れたのか動じなくなった。
俺の過剰なスキンシップも文句言いながらも受け入れてくれる。
俺もコイツと戯れるのは嫌いじゃない。
むしろ楽しくて好きだ。
「お前ら付き合ってんのか?」
冗談まじりに、時に飽きられながらも聞かれるけど。
この戯れの延長線上に何があるって言うんだ。
愛とはなんだ…。
ひとつ言えるのは、ただ一緒に居てすこぶる楽しいと言うことそれだけ。


                  (I LOVE...)

1/30/2026, 9:53:36 AM