みけねこ

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キャンドル
ゆらゆら揺れるキャンドルの炎を見つめて、彼女がふっとつぶやいた。
「命ってこの炎みたいよね。熱くって、キラキラして、
すぐに吹き消されそうなのに、しぶとくて。結局キャンドルが溶けきってしまったときに消えるんだわ」
目の前のキャンドルを吹き消して、まるで暗い話などしていなかったかのように
「もう寝ましょう」
と言って、彼女はベッドに横になってしまう。
僕は少しためらいながらも、彼女にならって横になる。
ときどき彼女がふいに暗いような話をするのには慣れている。それに意味がないって事も知っている。
ーそれでも、今回の話はなぜか僕の心に焼き付いて、
 なかなか離れなかった。

とある夜の男女とキャンドルの話。

11/19/2023, 1:21:51 PM