今日も仕事から帰宅して、ひと時の休息。刑事として過ごす日々は慌ただしいがやり甲斐に満ち溢れている。
いつもお世話になっている食堂のおばちゃんから貰ったカレンダーを壁に飾って、パラパラと12枚の写真を見てみる。
「…………ん?」
何故か、全ての写真にとても見覚えがある。4月の写真をじっと見つめてみる、と。
「……こ、れは……」
自分が捜査を担当した、自殺行為のあった場所。どれもこれも12月まで、全ての写真が自分の担当した事件の場所なのだ。
祝日でもなんでもないのに、丸がつけられている日付は事件のあった日そのもの。偶然にしては出来すぎている。
あまりにも気味が悪くてカレンダーから距離をとる。そういえばこのカレンダーを渡された時。
“たまには昔の失敗談も思い出しなねぇ”
その時は何も思っていなかった。いつものようにおばちゃんも笑っていた。しかしこの写真を見せられている事実が、自分のもしもの恐怖を煽る。
……自殺じゃ、なかった…………?
そんな訳ない、と頭をぶんぶん横に振る。気持ち悪くなって昔の記憶に蓋をした。
『カレンダー』
9/11/2024, 12:32:18 PM