『本に印刷された言葉が、文字という形態からはみ出て、本のページをキラキラと輝かせた。』
わたしは人生で一度だけ、この体験をした。
それは、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を初めて読んだときのことだった。
この本のタイトルだけでみると、悲しいイメージがある。しかし、この物語は悲しいだけではない。愛に溢れる物語である。
わたしはこの物語を読んで、愛することや愛されることについて深く考えさせられた。
西の魔女、つまり主人公まいのおばあちゃんが、どんなことがあっても、まいを愛して受け入れている。
愛というものは、不確実で目に見えないものだけど、わたしはこの本のページがキラキラと光り輝いたくらい、おばあちゃんの愛が伝わってきた。
だれかを駆け引きや忖度なしで、ただただ純粋に愛するということは、簡単なようで難しいのかもしれない。
『本に印刷された言葉が、文字という形態からはみ出て、本のページをキラキラと輝かせた。』このような不思議で温かい気持ちになる体験を、自分自身の人生でもできるだろうか。
愛が伝わらない人や、互いに心が通わないこともある。そういうときがあっても、愛することを、愛されることを諦めない。きっと”どこかの誰か”には伝わるし、心を通わすことができるから。
気恥ずかしいけれど、いつか大好きな家族や友達に、まいのように”大好き”を言葉で伝えたい。
______大好き___________________________________。
3/18/2025, 3:05:18 PM