川柳えむ

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 たくさん踏み躙られたそれは、とうとう粉々になって壊れてしまった。
 その断片を一欠片だけ拾って、泣きながら箱のずっと奥底に仕舞い込んだ。
 そのまま忘れて、長い年月が過ぎた。
 何かあった気がしていたけれど、思い出さないようにしていた。ずっと目を塞いでいた。
 ある日、弾けるように箱が開いた。奥底から、あの頃の気持ちが溢れ出した。
 今からでも間に合うだろうか?
 その小さくなった、けれども重い断片を、大切に手に取った。


『夢の断片』

11/21/2025, 10:35:07 PM