江戸宮

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気温の上がり下がりが厳しくて体調を崩した。
毎日の日課だった先生との朝の登校も今日はお預け。
今日はおやすみしますね、なんて事務的な文面になってしまって関係のない絵文字を3つほどつけた。
直ぐに既読がついた安堵したからか酷く頭がぼーっとするようになった。
先生が寒い中待っている状況は防げそうだと。

そのまま返信もせずに寝てしまったのが悪かったのか。
目が覚めてスマホをみると信じられないほどの追いLINE。
途中で会話が止まって先生は心配してくれたみたい。
先生がこの数時間私事で頭を悩ませてくれたのだという事実が嬉しくて熱が上がりそうだ。
LINE…よりも電話のほうがいいかな。

「……もしもし、せんせ?」

「ぁ、え……た、体調大丈夫?倒れたりしてない?貴方、急にLINE来なくなるから、心配したじゃないの、!」

「先生の既読に安心しちゃって寝ちゃって…心配してくれたんですか?」

「当たり前じゃないの。家まで行こうか悩んだぐらいには貴方のこと心配してたのよ」

こんなこと言ったらきっと不謹慎だ。
先生にそう思って貰えるなら熱を出すのも悪くないかってちょっと、いやかなり思ってしまった。

「明日はこれそう?無理はダメだよ」

「……先生に早く会いたいです、」

「…俺も、早く貴方に会いたいよ。だから早く治して」

終わり際にそんなこと言うなんて狡い。
毎日先生への思いが募って苦しい。
私が先生のことを考えるように、先生も私のことを沢山考えてくれたらなぁ、と願った22時32分。


2024.1.5『溢れる気持ち』

2/5/2024, 1:55:40 PM