ハリネズミな朱色

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ギーコギーコ
公園のブランコから音がなる
「次は私のばん ね」
仲良しな2人が順番に交代しながら楽しそうに乗っている
ギーコギーコ
「あっそうだ!」
そう言って1人がブランコの後ろ側にまわる
「よいしょ」
そう言ってブランコに乗っている子の背中を押す
すると、ブランコはさっきよりも高く上がった
「わぁ!」乗っている子はびっくりしつつも高く上がって嬉しそうだ。
「このまま くもに 飛びのれそう!たかーい!」
「次は ワタシね」「いいよー!」
『(*´艸`)(#^.^#)フフフ(*´v`)』
2人は楽しそうにブランコを漕いでいる

ふと我にかえる
今は、火の消えた炬燵の中
なんだ ただの白昼夢か
時計を見ると14時
土曜日の昼下がり
いつもなら部活があるこの時間
たまたま休みになって、課題を進めるのに丁度いいと思いしていたはずだったのだけど
まぁいい とっととやって仕舞おう
課題を進めながら、どうにもさっきのブランコが頭に浮かぶ
もちろん見覚えのない その2人にも会ったことなどない

何となく散歩がしたくなった
課題があらかた終わると妹の部屋に顔を出す
散歩するけど、一緒に来るかい?
「兄さんと散歩なんて久しぶり!私も行く」
歳の少し離れた妹はたのしそうにジャンバーを羽織る
「あんたと散歩なんて無理」
歳近い妹は、思春期恒例の反抗期らしい
コートを羽織ると歳の離れた妹と二人で家を出た
数年前まで通っていた近くにある小中学校の周辺を
何となく歩いていた
「私、あの公園で遊びたい」
妹の目線は、学校近くの公園にあった
特に目的地も決めていないし別に良いだろう
妹に従うまま公園へ

久しぶりの公園を見た途端思い知った時の流れ
あの頃は沢山合った遊具も人気も今はほとんどなく
所々黄色テープの付く滑り台とブランコ、所々草の生える砂場後だけだった
寂しくなったものだ
妹はブランコに乗った
私も隣のブランコに腰掛ける
妹は、勢い良く立ち漕ぎをする
大きくなったものだ
妹が幼く、よく兄妹で公園に行ってた頃。中々ブランコを漕げなかったのを後ろから軽く押してやったものだ

時の流れは、時に残酷だ
今では小さい子供も、どんどん少なくなって
今 妹が通っている小学校 は数年後に隣町の小学校と合併するらしい
工事は既に始まってて、昔よく遊んでいた校庭も跡形もなくなっているらしい
もうあの場所は無くなった
悲しみがしんしんと歩み寄ってくる
「にーいさん」
「ん?」
顔を向けると、いつの間にか座って漕いでいる妹が言った。
「ブランコ! 昔みたいに押して!!」
ニコニコしながら言うその様子にハッとした。
ーそうか、思い出は消えないんだ。いつか忘れたとしてもー
「にーさん?」
あぁ、ごめんごめん
そう言ってブランコを押す
しばらくすると寒空に夕日がさしはじめた。
そろそろ帰るか
「そーだね、だいぶ寒くなってきたし」
手を止め、妹がブランコをおりる
さあ、帰ろう暖かい我が家へ
#ブランコ

2/2/2026, 9:13:27 AM