掴んでは離れ、掴んでは離れ、「それ」はまるで手からこぼれ落ちる雫のように、形を持とうとしない。私は脳内で、咥内で、あるいは手で「それ」の形を生み出そうとする。しかし、「それ」はそれらの動きをすべて阻み、私は「それ」に翻弄されるのであった。「それ」が形を持たぬ間、私は永遠に「それ」に振り回され続ける。私は「それ」を生み出す親でありながら、まだ命を持たぬはずのその子に手を焼いてしまう。言葉にできない
4/11/2023, 10:22:00 AM