冬華(トウカ)

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冬になったら、きっと寒くなる
冷え性な君は大丈夫かな、隣にあっためてくれる人はいるのかな
冬になれば、きっと雪が降る
滑ることの多かったドジな君を、支えてくれて、笑ってくれる人はいるのかな
冬になると、きっと澄んだ空気で悲しくなる
君がいなくなって、冬が来たら。私泣いちゃうよ、なんて言ってた君を、温もりでいっぱいにしてくれる人はいるのかな

冬になると、今でも君を思い出す
ただ、この思いは未練じゃなくて、引きずってるわけじゃなくて。ただ、言葉ではうまく、言い表せない
なんというか、大丈夫かなっていう心配とか、何もしてやれなかったなっていう後悔とか、それに近い
心に針が、チクチク刺さってる感じ

ありえないくらいに晴れた夕焼けを見る
空気は澄み、指先が赤くなるくらいには寒くなった
君は、どうしているだろうか

てとてと、と、隣に駆け寄ってくる小さな影
俺の隣には、もう、俺の心を温めてくれる人がいる
冷え性の俺を、温めてくれる人がいる


君は、今どうしてますか?
泣いていないでしょうか?
もう、隣に行って温めてやることはできない
ただ、心配してるだけの俺を、どうか許してほしい

そして、どうか、君が君の幸せな道を、歩いて行けたらいいと、勝手ながら願う

隣でにこにことしている温もりと寄り添い、一層冷えてきた冬の道を、二人で歩き出す
君との思い出を、ひっそりと、思い出しながら

11/18/2024, 8:23:55 AM