怪々夢

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現実逃避 

「まさかお前が最初に卒業することになるとはなぁ。」
「いいじゃねぇかよ。何が不満なんだよ?」
「嬉しいんだよ、1番の問題児が立派になってさ。」

今日はイカリの卒業式。みんなでイカリとの思い出を振り返っているのだ。イカリはこの世界で初めての卒業者になる。
集まったのはネタミ、コイ、オモイヤリ、プライド、そしてイカリを合わせた5人だった。

「瞳ちゃんは繊細で気が小さい。なのにイカリが最初に卒業するなんて私のプライドはズタズタだよぉ。」
「バカ言うな。瞳ちゃんが怒りの感情を取り戻せば自ずとプライドもついてくるさ。周りの人間に遠慮せずに感情を出せると言うことがどんなに大事なことか。」
「そしたら私もコイできるかな?」
「できるさ、俺みたいに勇ましい男を好きになるよ。」

瞳ちゃんは両親が離婚して以来、情緒が不安定になり、何か嫌なことがある度にその感情を封じ込め新しい人格を作って行った。現実逃避だ。だけど瞳ちゃんは偉かった。自分の問題に立ち向かい怒りの感情を取り戻そうとしているのだ。
だけど瞳ちゃんの成長は私達の誰かがこの世界から消えることを意味している。

「サヨナラは言わないよ。次に卒業するのは私だからね。本当はイカリなんかより先に私が卒業するべきなんだ。」
「その通りだよ、人間にはネタミの感情も必要なんだ。あっちの世界で待ってるからな。」
「瞳ちゃんが周囲のプレッシャーに負けて、怒りの感情を出せない時、イカリが助けてやってくれよ。」
「分かってるよ。じゃあなオモイヤリ、それに皆んなもさようなら。もう行かないと。」
「イカリ、さようなら。」

                    終わり


という訳で、書く習慣での毎日投稿は今日で一区切りを付けたいと思います。今後は小説を書く勉強をしたり、長編に取り掛かったりしたいと思っています。
後は過去作を加筆修正とかですかね。過去作はXにも投稿してますのでよろしくどうぞ。

それではさようなら。

2/28/2024, 3:29:13 AM