かたいなか

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某カラダが闘争を求める系のゲームに、
溢れる気持ちを叫びつつ激ヤバキャノンをブッ放す
名シーンが存在するそうです、
という開幕2〜3行のお題回収は置いといて、
完全フィクションふぁんたじーな「溢れる気持ち」の小話を、2個ご紹介。

最初のおはなしは「ここ」ではない別の世界、
世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織が舞台。
世界の維持だの保全だの、それから世界間航行の取り締まりに航路の敷設だの、
いろんな仕事をしておる公的機関です。

局員たちの健康と衛生を預かる医療の部署に
「ヤマカガシ」なるビジネスネームを貸与された
ヘンタイ野郎医務官がおりまして。

「よし、完成した、完成したぞ!」
さて。その日のヤマカガシ医務官です。
1ヶ月ほどかけて調整しておったヘンな飲み薬を、
小瓶に入れて、光にかざして、
そして、おおいに歓喜しておりました。
「これを飲んだものはたちどころに、溢れる気持ちに素直になって、衝動のまま愛を叫ぶのだ!」

随分とヘンちくりんな薬です。
しゃーないのです。過去作2024年の10月投稿分で、ちょうど「溢れる気持ち」というか「溢れる愛」に素直になる薬を、既に作っておったのです。

で、ヘンタイ医務官ヤマカガシのヘンタイ度合いは
これを同僚たる管理局員で実験したがるという
至極迷惑なヘキによって顕著になりまして。

「記念すべき最初の被検体は、ツバメくんだ」
ふっふっふ。ふっはっはっは!
ヘンタイ医務官ヤマカガシは、本物のヤマカガシのように舌をチロっと出して天を仰ぎ、
自分の溢れる気持ちもそのままに、あらかじめ捕獲しておったところの法務部局員を、
「……ん?」

捕獲しておったところの法務部局員を、
見ようと振り返ったところ、
その法務部局員が拘束具から逃げ出して
だぁれも居ないことに気付きました。

「素晴らしい!さすがツバメくんだ」
ハハハ、はーっはっはっは!
ヘンタイ医務官ヤマカガシは仕方ないので、
新しい生贄を探しにゆきました。

…——「と、いうことがあったので、なんとか拘束具から抜け出して、逃げてきたワケです」
「そーなんだぁ〜」

2個目のおはなしは、その頃の法務部局員。
「ツバメ」というビジネスネームを貸与された管理局員のおはなしです。
管理局内に居れば、たちどころにヘンタイのヘンちくりんなクスリの餌食になりますので、
都内某所、某深めの森の中の、稲荷神社まで逃げてきておりました。

というのもその稲荷神社の宿坊を
ちょうど管理局のお嬢さん局員
収蔵課の「ドワーフホト」が利用しておりまして。

「ヤマカガシさん、あたしには、フツーに優しいだけのお医者さんだけどなぁー」
なんでツバメさんとか、ルリビタキ部長さんとか、法務部局員にだけヘンタイなんだろー。
ドワーフホトのお嬢さんは、腕の中で尻尾ぶんぶんご機嫌な稲荷子狐を撫でながら、なでながら、
パチパチ、ぱきん、炭火で遠赤外線照射中のマグロのカマの塩焼きを、見守っておりました。

コンコン稲荷子狐によると、マグロの豪華食べ比べセットを揃えて購入したところ、
お魚屋さんがふたつ、オマケしてくれたとのこと。
養殖クロマグロのカマ。あご肉だそうです。

塩振って、キレイに焼いて、
ひとつはそのまま焼き魚で、もうひとつは身を崩して混ぜご飯、あるいはピラフかチャーハンに、
あるいはオイルやドレッシングと混ぜて、バゲットに添えるのも良いでしょう。

「な〜やむぅ」
「なやむ!なやむ!」
ドワーフホトと子狐は、1人と1匹してニッコリ。
今すぐ食べたい溢れる気持ちを抑えて、
じっと、炭火を見つめました。
「おいしかったら、マグロのあご肉2個6個、管理局に買って帰ろーっと。
スフィちゃんに作ってあげるんだぁ」
「あごにく!あごにく!」
「コンちゃんも、一緒に食べようね〜」
「たべる!」

はぁ。それは、良かったですね。
その管理局から逃げてきたツバメは、大きな大きなため息を、ひとつ、吐きましたとさ。

2/6/2026, 4:43:01 AM