私はこの国を守る騎士。国民からは「ナイト様」と呼ばれている。本当の名前は、
「おーい、ナナ!」
そう。ナナです。
「はいはーい!どうしたの?」
「んー、なんかね、ここにナナ宛ての手紙が…。」
え、私宛ての手紙?なんで?
「はい。声に出して読んでよ。」
「ん。えっと、なになに。
我が国のナイト、ナナ様へ
この手紙を見つけた頃には、きっと立派な騎士になっているでしょう。毎日のように国のために戦ってくれて、ありがとう。
私はもうあなたに会えないのですが、あなたの活躍は耳にしています。誰もが認めるナイト様になって、私は誇りに思います。
そろそろお分かりかと思うのですが、私はあなたの母です。あなたが5歳の時、急に居なくなってごめんなさい。私はあなたをっ、ナナを愛していまっ。うっ。
あなたの母より。」
「…」
うっ。ん。
「うわーんっ。うぅ、うっ。」
声を出して泣いた。途中からまともに読めてなかったけど、お母さんが、私のことを思い出してくれてるってわかっただけで、十分だった。
「ナナ。」
私のパートナーが名前を呼ぶ。私にはもう、お母さんはいない。でも、安心して背中を任せられるパートナーがいるから、これからもこの国のナイトとして戦っていけるんだ。
「隠された手紙」
2/3/2025, 10:05:30 AM