私は彼女の墓に花を捧げ、お供え物を添える。
「……私のせいで……ごめん、なさい……ごめんなさい……」
あのとき私が躓かなければ、彼女はまだ生きていたはずなのに。私が彼女の逃げる足を引っ張った。だから、彼女はこの災いで死んでしまった。
そして私は、彼女と会えなくなることを実感していくうちに、彼女との大切な思い出が確かに消えるうちに―――どんどん汚れてしまった。盗みも殺しも、たしかに彼女の尊き命で助けられたもので、確かにしてしまった。
「……」
―――もしも未来を見れるなら。私はあの日現れなかった。私はあの日、彼女の足を引っ張らず唯一人死んだのに。
私は、この未来を見た王様のことも、その末路も。未来を見たところで変わりないことを、まだ知らない。
4/20/2026, 9:40:09 AM