霜月 朔(創作)

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星空の下で


人は死んだら、その魂は天に輝く星になる。
そんな伝承を、聞いた事があります。

でも、それが本当なら、
私が殺めてきた人々は、輝く星々となって、
毎夜毎夜、遠い空の上から、
私を怨みがましく見下ろしている…と言う事。

罪を重ねてきた私は、
陽の射す場所に居るに相応しくない人間だと、
陽の光を避ける様に、日陰を歩き、
ひっそりと生きて来ましたが、
数々の星の煌く、星空の下もまた、
私には相応しくない場所なのです。

太陽の元も星空の下も。
私が居てはいけない場所。
そんな、血に汚れた私でも、
生きる事を赦される場所は、
何処なのでしょうか…。

しかし。
こんな私に赦されるのであれば、
私は死した後、星となって、
天から、貴方を見守りたいのです。

星空の下で。
私は、密やかに願います。
…貴方の幸せを。

4/5/2024, 12:56:47 PM