誰かのためになるならば
「今日も…残業……」
フロア内には私しかいない。
今日は先輩から仕事を押し付けられた。
自分が断れない性格というのもあるけれど、
先輩は今日の合コンをすごい張り切っていたらしい。
合コンがうまくいくかは分からないが、
それでも私がこの仕事を請け負うことで、
少しでも誰かのためになるならば…と思ってやっていた。
「もうすぐ終わる……」
と呟く。
終電には余裕で間に合いそうでよかった。
その時、ガチャリと扉が開く音がして人が入ってきた。
その相手は同僚の高梨くんだ。
「なんだ?まだいたの?」
「うん。というか高梨くんもこの時間まで仕事?
お疲れ様です」
7/26/2024, 6:24:42 PM