夢を見た。優しく、悲しく、愛おしく、憎らしい。いくつもの感情が混ざり合った、どろどろとした夢を見た。手を伸ばしてみる。届かないそれに、密かに安堵した。届いてはいけないのだ。届いてしまったのなら、その瞬間からそれはただのものとなってしまう。ものとなってしまえば、すぐに興味をなくしてしまうのだろう。手が届かない。だからこそどうしようもなく惹かれる。難儀なものだ。自分のことながら呆れてしまう。馬鹿馬鹿しいと嘆く。そんな夢を見た。
12/17/2025, 5:36:19 AM