「知らんよ、アンタに恋人がいるかどうかなんて。それでも俺はアンタが欲しいって思ったから」
そう言ってこんな酔っぱらいを連れ去った馬鹿な男。
キスもそれ以上の事も。丁寧で上手くて……アルコールのせいで記憶は曖昧だけど快感だけは覚えてる。
「俺たち相性良いね。人生の中でダントツだわ」
ニヤッとはにかんだ彼が眩しくて無理やり口を塞いだ。
今日くらい本能がままに生きたっていいじゃない。仕事とか社会とかそんな面倒な事は忘れて溺れてたい時もあるのよ。
明日になったら誰の顔がまっさきに浮かぶだろうか。誰が浮かんでも今日だけは許してって昨日の自分が弁解するだろうけど。
「何考えとんの?今は俺だけ見といてや」
私に夢中になってる彼に私はどーでもいい一日のどーでもよかったはずの一夜を捧げた。
題材「今日だけ許して」
10/5/2025, 8:37:23 AM